新宮

ホーム > 五新線探索 > 新宮

目次

新宮の地図



新宮駅前

昼前に乗ったバスが途中3回の休憩を含め、新宮に着いたときにはすでに西日が強くなっていた。駅前バスターミナルを降りて周囲を歩く。平地に広がる町の色は現代の都市を象徴する灰色である。小学校の敷地も都会の例に習ったかのように、ねずみ色のコンクリートで出来た高い壁に囲まれ、声は聞こえるが何をしているか分からないという無気味さを出していた。市街地に「国道168号線を見直そう」という立川渡と同じ立て看板があった。新宮市もまた五新鉄道期成同盟会に名を連ねていたのである。商店街では海産物を扱っている店が多く目についた。鮨、魚屋、塩辛、うなぎなど。新宮は太平洋に面しているから、新鮮な魚類が多く手に入るのかも知れない。これは五條では地理的に不可能なことであり、大きな違いでもある。

駅のすぐ脇に色の原色をちりばめた異様な門構えが飛び込んでくる。周囲の色合いと掛け離れた派手さから新興宗教の建物かと思いきや、近くまでゆくと徐福公園という名の観光地であることが分かった。紀元前の中国、秦の始皇帝は各地に巡幸し「不老不死」の仙薬を見つけだそうとしていた。始皇帝に仕えていた徐福は、海をわたり3000人の童男童女をつれてこの地に上陸し永住した。新宮市は古くからこの徐福を祀り、中国からの観光客も訪れるという。

五條と新宮、それは吉野と熊野とみて良いのか悪いのか。この地にたどり着けば何かがある、という徐福の行動はまた五條の、鉄道敷設の人びとの気持ちとも奇妙なつながりをもって私の心に記録されたのである。

新宮駅
新宮駅
(撮影:2002年5月)
徐福公園
徐福公園
(撮影:2002年5月)

フォトギャラリー